ワールドコイン（WLD）は、OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏らが共同設立したTools for Humanity社が開発・推進する暗号資産（仮想通貨）を中心としたプロジェクトです。
ワールドコインの主な目的と特徴
- 世界規模の公平なデジタル通貨の創出: 全ての人がアクセスできる、普遍的なデジタル通貨システムを目指しています。
- Proof of Personhood（PoP：人格証明）: 「Orb（オーブ）」と呼ばれる専用の生体認証デバイスで人間の虹彩をスキャンし、個人を識別するための「World ID」を発行します。これにより、AIボットではない実在の人間であることを証明することを目指しています。
- 無料配布: World IDを取得した人に対して、ワールドコイン（WLD）が無料で配布される仕組みがあります（配布量は時期や地域によって変動する可能性があります）。これは、普遍的なベーシックインカムの実現に向けた実験的な試みとも言われています。
- World App: ワールドコインの管理や送受信、World IDの利用などに使用される専用のモバイルアプリです。
- AIと人間の区別: 高度化するAIに対して、人間であることを証明する手段を提供することを目指しています。
ワールドコインの仕組み
- World Appのダウンロード: ユーザーはスマートフォンにWorld Appをインストールします。
- Orbでの虹彩スキャン: 提携されている場所（Orbの設置拠点）で、Orbという球体のデバイスに虹彩をスキャンしてもらいます。
- World IDの発行: 虹彩のスキャンデータに基づいて、個人を特定するユニークなWorld IDが発行されます。この際、虹彩の生体データはハッシュ化され、プライバシー保護に配慮した設計となっています。
- WLDの受け取り: World IDとWorld Appを通じて、無料でWLDを受け取ることができます。定期的に配布される場合もあります。
どこで入手できるか
- Orbでの登録による無料配布: 現在、日本国内を含む世界各地にOrbの設置拠点があります。World Appで最寄りの拠点を探し、予約して虹彩スキャンを受けることで、WLDを無料で受け取ることができます。
- 暗号資産取引所での購入: 海外の主要な暗号資産取引所（Binance、OKXなど）ではWLDの取り扱いがあります。ただし、2025年4月19日現在、日本の暗号資産取引所ではWLDは取り扱われていません。 日本の取引所で購入する場合は、海外取引所を経由する必要があります。
注意点とリスク
- プライバシーに関する懸念: 虹彩という機密性の高い生体情報を扱うため、プライバシーに関する懸念が指摘されています。
- 中央集権性: Orbの製造や管理がTools for Humanity社に集中しているため、中央集権性に関する議論があります。
- 規制の不確実性: 各国における暗号資産や生体認証に関する規制が、プロジェクトの展開に影響を与える可能性があります。
- トークンの価値変動: WLDも他の暗号資産と同様に、価格が大きく変動するリスクがあります。
- アクセシビリティ: Orbの設置場所が限られているため、地域によっては登録が難しい場合があります。
ワールドコインは、革新的なコンセプトを持つ一方で、いくつかの課題やリスクも抱えているプロジェクトと言えるでしょう。参加を検討する際は、これらの点を十分に理解し、ご自身の判断で行うことが重要です。
