先進国株で3倍の成長を狙え!?でもグローバルな視点も重要な「WANT」を徹底解説!
「WANT」という、なんだか欲張りな名前のこのETF。実は、日本を除く先進国の株式市場の値動きに3倍のレバレッジをかける、グローバルな視点を持つ金融商品なんです。世界経済の成長に大きく賭けたいあなたにとって、魅力的な選択肢となるかもしれません。今回は、そんなWANTの正体から、その魅力と知っておくべき注意点まで、分かりやすく解説していきます!
WANTってどんなETF?
WANTは、正式名称を「Direxion デイリー FTSE Developed Markets Bull 3倍 ETF」といいます。簡単に言うと、日本を除く先進国の株式市場の代表的な指数である「FTSE Developed All Cap ex US Index」の日々の値動きに対して3倍のレバレッジをかけるように設計された**ETF(上場投資信託)**です。
イメージするなら…
世界経済の成長という大きな潮流に乗って、さらに加速するグローバル企業の集団のようなイメージです!
- FTSE Developed All Cap ex US Indexが1%上がると、WANTは約3%の上昇を目指します。
- 逆に、FTSE Developed All Cap ex US Indexが1%下がると、WANTは約3%の下落を目指します。
つまり、日本を除く先進国市場が成長する局面では、通常の先進国株ETFよりも短期間で大きな利益を狙える可能性がある一方、下落局面では損失も3倍になるという、ハイリスク・ハイリターンな金融商品なんです。
WANTの魅力 – 世界の成長を3倍速で捉える!
- グローバルな成長の可能性: アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなど、日本を除く先進国の経済成長の恩恵を、1つのETFで効率的に享受できます。
- 分散投資の効果: 単一の国やセクターに集中するのではなく、複数の先進国に分散投資することで、リスクをある程度抑える効果が期待できます(ただし、レバレッジによってリスクは増幅されます)。
- 短期的な市場の動きを捉えるチャンス: 世界経済の動向や各国の金融政策などによって、先進国株式市場は短期的に大きく変動することがあります。WANTは、このような短期的な値動きを捉え、大きな利益を狙うためのツールとなり得ます。
WANTの注意点 – グローバルな視点と高いリスク!
- 超ハイリスク・ハイリターン: 利益が大きい分、損失も3倍になるリスクを常に意識しなければなりません。世界経済や各国の市場が予想と反対の方向に動いた場合、資産が急速に減少する可能性があります。
- 複利効果の落とし穴: レバレッジ型ETFの宿命として、日々の変動率を基に3倍の値動きを目指すため、長期保有すると、先進国株指数の3倍とかけ離れた価格になることがあります。特に、市場が上下を繰り返す展開では、大きく価値を損なう可能性があり、長期投資には絶対に向きません。
- 高い経費率: レバレッジ型ETFは、通常の先進国株ETFよりも運用にかかるコスト(経費率)が高めに設定されています。
- 為替変動リスク: WANTは米ドル建てのETFですが、連動対象の指数は日本を除く先進国の株式で構成されています。そのため、為替レートの変動によって、円換算した際のリターンが大きく変動する可能性があります。
- 世界経済や各国の情勢に左右される: 世界的な景気後退、金融危機、地政学的なリスクなど、様々な要因によって先進国株式市場全体が大きく下落する可能性があります。WANTもその影響を3倍受けることになります。
WANTとの賢い付き合い方 – 短期決戦&グローバルな視点を!
WANTは、基本的に短期的な投資を前提として活用すべきETFです。
- 世界経済の成長トレンドに乗る: 世界経済が力強く成長し、先進国株式市場全体が上昇トレンドにあると判断した場合に、集中的に投資する戦略が考えられます。
- 短期的な市場の歪みを利用した取引: 世界経済や各国の市場の一時的な過熱感や割安感を利用して、短期的な取引を試みる場合があります。
- グローバルな視点と情報収集: 世界経済の動向、各国の金融政策、地政学的なリスクなどを常に把握し、損失を許容できる範囲内で投資を行い、損切りラインを明確に設定するなど、厳格なリスク管理が不可欠です。
こんな人はWANTに手を出さないで!
- 投資初心者の方: まずは、もっとリスクの低い先進国株ETFやインデックスファンドから投資の経験を積むべきです。
- 長期的な安定運用を目指している方: 長期投資には全く不向きな商品です。
- リスク許容度の低い方: 世界経済や各国の市場の変動に精神的に耐えられない可能性があります。
- グローバルな経済情勢に全く関心がない方: 世界経済の動向を理解していない場合、投資判断は非常に困難です。
過去5年間のトータルリターンは?
過去5年間のWANT(Direxion デイリー FTSE Developed Markets Bull 3倍 ETF)のトータルリターンについては、情報源によって数値にばらつきが見られます。
FTSE Developed All Cap ex US Index自体の過去5年間のトータルリターンを参照すると、
- FTSE Russell: 約 78.1% (トータルリターン、USDベース、2025年3月末時点)
- Vanguard (VEA ETF連動): 約 12.13% (年間平均トータルリターン、2025年3月末時点)
WANTは同指数の日々の値動きの3倍を目指すレバレッジ型ETFであるため、単純に3倍した数値がリターンになるとは限りません。複利効果の影響により、指数の3倍から大きく乖離する可能性があります。
現時点では、WANT自体の過去5年間の正確なトータルリターンを直接示す信頼できる情報源を見つけることができませんでした。
重要な注意点:
- レバレッジETFの特性: WANTは3倍のレバレッジ型ETFであるため、日々の値動きが指数に対して大きく変動します。
- 複利効果: 長期保有においては、複利効果がマイナスに働き、指数の3倍のリターンとは大きく異なる可能性があります。
- 為替変動リスク: WANTは米ドル建てのETFであり、連動対象指数は米ドル以外の通貨も含むため、為替変動の影響を受けます。
投資を検討する際は、上記のリスクを十分に理解し、慎重な判断が必要です。レバレッジ型ETFは、一般的に短期的な取引を目的として設計されており、長期保有には適さない場合があります。
まとめ – 世界の成長を加速させるか、グローバルな荒波に翻弄されるか
WANTは、日本を除く先進国株式市場の成長という大きな可能性に、3倍のレバレッジをかけることで高いリターンを目指せる魅力的なツールとなり得るかもしれません。しかし、その裏には世界経済や各国の市場の変動、為替変動といったリスクが潜んでいます。グローバルな視点を持ち、レバレッジ型ETFの特性を十分に理解した上で、自身の投資目標、リスク許容度、そして情報収集能力を慎重に考慮し、慎重に判断する必要があります。安易な気持ちで飛び込むと、思わぬ損失を被る可能性もあります。
投資は自己責任です。必ずご自身で調べて、納得した上で判断するようにしましょう。
この記事が、WANTについて理解する一助となれば幸いです。